ブログ

VIX指数 2026|暴落の買い時を恐怖指数で読む方法をマネトレ大学学長が解説

株式市場が大きく変動するたびに、「あの時、勇気を出して買っておけば…」と後悔した経験はありませんか?多くの個人投資家が恐怖で動けなくなる一方、プロの投資家は冷静に買い向かっていることがあります。

彼らは感情ではなく、客観的なデータに基づいて判断しています。その代表例が「VIX指数(恐怖指数)」です。この記事では、元ゴールドマン・サックス証券の経歴を持つマネトレ大学学長の尾崎が、VIX指数の見方から具体的な投資戦略への応用まで、専門用語を噛み砕いて解説します。

この記事でわかること

  • 暴落のサインを捉える「VIX指数」の基本的な見方と目安
  • 過去のデータから見る、VIX指数を活用した具体的な投資タイミング
  • プロが注目するVIXの進化系指標「VVIX」「SKEW」の意味

マネトレ大学学長の尾崎が運営するYouTubeチャンネル「おーちゃん【元外銀マン】」で解説した内容を、動画公開後の市場データまで織り込んでお届けします。

結論:市場の恐怖は「数値化」して客観視できる

何を示すか投資家への意味
VIX指数市場がS&P500の将来の変動をどう予測しているかを示す。「恐怖指数」とも呼ばれる。数値が急騰すれば市場はパニック状態。過去のデータでは、25以上は絶好の買い場となる可能性があった。
VVIX指数VIX指数そのものの変動率を示す。「恐怖の恐怖指数」。VIXが今後どれだけ荒い動きをするかを示す。プロのオプション・トレーダーの動向を反映しやすい。
SKEW指数予測不能な大暴落(ブラックスワン)への警戒度を示す。「ブラックスワン指数」。150を超えるとテールリスクへの警戒が極めて高い状態。VIXと合わせて市場の歪みを読む。
MOVE指数米国債市場の変動率を示す。「債券版VIX」。金利の先行き不透明感を示す。金利は全ての資産価格の基準となるため、株式投資家も無視できない。

VIX指数を正しく理解し、市場の過度な悲観を逆手に取ることで、個人投資家は暴落時における冷静な投資判断の精度を高めることができます。感情に流されず、客観的な数値を自分だけの「羅針盤」として使うことが、恐怖を利益に変える第一歩です。

第1章:なぜ個人投資家は「暴落で買えない」のか?

この章のポイント

  • 多くの投資家が暴落時に恐怖で売ってしまう「パニック売り」の心理
  • 「もっと下がるかも」という感情が合理的な判断を妨げる
  • プロの投資家は感情ではなく、客観的な指標を判断材料にしている

「あの時買えば…」の後悔を繰り返さないために

「まだ下がるかもしれない」「底を打ってから買おう」。暴落局面でこのように考え、結局買いのタイミングを逃してしまった経験は、多くの個人投資家が持っているのではないでしょうか。

これは「プロスペクト理論」で説明される人間の自然な心理です。人は利益を得る喜びよりも、損失を被る苦痛を2倍以上強く感じると言われています。そのため、株価が下落している局面では、さらなる損失への恐怖が合理的な判断を曇らせてしまうのです。

その結果、本来は割安で買える絶好の機会であるはずの暴落時に、多くの人が「パニック売り」に走るか、あるいは恐怖で身動きが取れなくなってしまいます。

プロが見ているのは「市場の体温計」

一方で、プロの投資家や機関投資家は、こうした暴落を絶好の投資機会と捉えることがあります。彼らは恐怖や希望といった感情ではなく、客観的なデータに基づいて行動しているからです。

その代表的なツールが、今回解説するVIX指数です。VIX指数は、いわば「市場の体温計」のようなもの。市場が平熱なのか、熱を出しているのか、あるいは高熱でパニックに陥っているのかを客観的な数値で示してくれます。

この「体温計」の目盛りを読むことで、感情に左右されずに市場の状況を冷静に判断し、「今は過度に悲観的になりすぎているな」と逆張りのチャンスを見出すことができるのです。

持ち帰りメモ①:暴落時の恐怖は、客観的な指標で乗り越えられる。感情でなく「市場の体温計」を見て判断する癖をつけよう。

第2章:暴落のサインを読む「VIX指数」とは?

この章のポイント

  • VIX指数はS&P500が今後30日間でどれだけ変動するかの市場予測を数値化したもの
  • 「地震保険」と同じで、皆がリスクを恐れて保険(オプション)を買い始めると指数が上昇する
  • 平時は10~20で推移し、20を超えると警戒サイン、25以上でパニックの兆候と見なされる

VIX指数は「市場の地震保険」

VIX指数(Volatility Index)とは、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出・公表している指数です。具体的には、米国を代表する株価指数であるS&P500のオプション取引の値動きを元に、「市場が今後30日間でどれくらいの変動を予想しているか」を数値化したものです。

少し難しく聞こえますが、「市場の地震保険」のようなものと考えると分かりやすいでしょう。市場参加者が先行きに不安を感じ、株価下落に備えるための保険(プット・オプション)を買い始めると、保険料は高騰します。この保険料の動きを反映するのがVIX指数です。

みんなが「ヤバい、地震が来るかも」と一斉に地震保険に入り始めたら、保険料が上がるのと同じ理屈です。そのため、VIX指数は市場参加者の恐怖心を映す鏡として「恐怖指数」と呼ばれています。

VIX指数「20」が意味すること

VIX指数は通常、10〜20の間で推移します。この水準は市場が比較的落ち着いている状態を示します。そして、一般的に「20」が一つの警戒ラインとされています。

VIX指数が20というのは、「市場参加者が、S&P500が今後1年間で年率20%程度の変動をすると予想している」状態を意味します。これを30日間の変動に換算すると、以下のようになります。

  • 年率変動率 20% ÷ √12(12ヶ月) = 月次変動率 約5.8%

つまり、VIX20の状態とは、市場が「S&P500は今後1ヶ月で上下に5.8%くらい動くかもしれない」と身構えていることを示します。これが25、30と上がっていくにつれて、市場のパニック度合いが高まっていると判断できるわけです。

株価が下落する時にVIX指数は上昇するため、両者は逆の動き(逆相関)をする傾向があります。下の図を見ると、S&P500が大きく下げる局面でVIXが急騰しているのが一目で分かります。

図1:S&P500とVIX指数の推移
図1:S&P500とVIX指数の推移

持ち帰りメモ②:VIX指数は、市場参加者の「恐怖心」を数値化したもの。「VIX 20」は月5.8%の変動を市場が織り込んでいるサイン。

第3章:VIX指数をどう投資に活かすか?

この章のポイント

  • 2009年以降のデータでは、VIX指数が25を超えた時にS&P500を買うと1年後の上昇確率は100%
  • ハイテク株中心のNASDAQ100は、VIX指数が20を超えた時点で1年後の上昇確率が100%
  • コロナショックではVIXが85、リーマンショックでは89まで高騰し、その後大きなリターンを生んだ

VIX「25以上」は歴史的な買い場だった

では、このVIX指数を実際の投資にどう活かせばよいのでしょうか。過去のデータが、非常に興味深いヒントを与えてくれます。

動画でも解説した通り、2009年以降のデータを見ると、VIX指数が25を超えたタイミングでS&P500に投資した場合、1年後に資産が増えている確率は100%でした。金融の世界で「100%」という数字は極めて稀です。

これは、VIXが25を超えるような市場の極端な悲観は、結果的に「行き過ぎ」であり、その後の反発を捉える絶好の逆張りサインとして機能してきたことを示唆しています。

さらに、ハイテク銘柄中心のNASDAQ100指数に注目すると、より低い水準でこの法則が当てはまります。

  • S&P500:VIXが25以上の時に買うと、1年後の上昇確率は100%
  • NASDAQ100:VIXが20以上の時に買うと、1年後の上昇確率は100%

平均リターンを見ると、VIX指数が高ければ高いほど、その後の反発も大きくなる傾向があります。特にVIXが30を超えた局面でNASDAQ100に投資した場合の1年後平均リターンは+45%と、驚異的な数字になっています。

図2:VIX高騰時の1年後平均リターン(2009年以降)
図2:VIX高騰時の1年後平均リターン(2009年以降)

過去の暴落でVIXはどう動いたか?

歴史的な金融危機において、VIX指数は記録的な高水準に達しました。これらは、後から振り返れば絶好の買い場だったことが分かります。

  • リーマンショック(2008年):VIX指数は89.53まで急騰
  • コロナショック(2020年):VIX指数は85.47まで急騰

もちろん、VIXが80を超えるような状況は異常事態であり、その渦中にいるときは恐怖で投資判断などできないかもしれません。しかし、「VIXが25を超えたら、少額でもインデックスファンドを買い増す」といったルールをあらかじめ決めておけば、感情を排して機械的に行動を起こすことが可能になります。

動画公開後に起きたこと

動画は2026年10月27日に公開されました。同日の市場では特筆すべき大きな変動はありませんでしたが、VIX指数は18.39と比較的落ち着いた水準で推移しています。これは、市場が極端な恐怖状態にはないことを示唆しています。

しかし、ゴールドマン・サックスは2026年7月22日付のレポートで、同年秋の中間選挙に向けて市場のボラティリティ(変動率)が高まる可能性を指摘しています。政治的な不確実性は市場の不安を煽り、VIX指数を押し上げる要因となり得ます。引き続きこれらの指標を注視することが重要です。

持ち帰りメモ③:VIXが25を超えたら、市場の恐怖は最高潮。過去のデータ上は、逆張りの好機となる可能性が高かった。

第4章:プロが使うVIXの進化系「VVIX」「SKEW」指数

この章のポイント

  • VVIX指数は「VIXのVIX」と呼ばれ、VIX自体の変動率を示す。プロの動向が反映されやすい。
  • SKEW指数は「ブラックスワン指数」。市場が予測不能な大暴落をどれだけ警戒しているかを示す。
  • VIXが静かでもSKEWが高い場合、水面下で大暴落への備えが進んでいる可能性がある。

VIX指数だけでも強力なツールですが、プロの投資家はさらに一歩進んだ指標も参考にしています。これらを組み合わせることで、市場のリスクをより立体的に捉えることができます。

恐怖の度合いを測る「VVIX指数」

VVIX(ヴィヴィックス)指数は、VIX指数そのものの変動率(ボラティリティ)を示す指数です。VIXのボラティリティであることから、「VIXのVIX」や「恐怖の恐怖指数」などと呼ばれます。

VIX指数が「投資家がどれだけ怖がっているか」を示すのに対し、VVIX指数は「VIX指数が今後どれだけ荒い動きをしそうか」を示します。VVIXが上昇するということは、オプション市場の専門家(ディーラー)たちが、今後の相場急変に備えてヘッジを強化しているサインと解釈できます。

一般的に、VVIXはVIXに先行して動く傾向があると言われています。市場が静かな時でもVVIXがじりじりと上昇している場合、それは水面下でリスクへの警戒が高まっている兆候かもしれません。

図3:VIX指数とVVIX指数の推移
図3:VIX指数とVVIX指数の推移

大暴落リスクを読む「SKEW指数」

SKEW(スキュー)指数は、VIX指数とは異なる種類のリスクを測る指標です。「ブラックスワン指数」とも呼ばれ、市場が「確率的には極めて低いものの、発生すれば壊滅的なダメージをもたらす大暴落(テールリスク)」をどれだけ警戒しているかを示します。

SKEW指数は通常100〜150の間で推移します。100に近いほど市場は楽観的で、数値が上がるほど大暴落への警戒が強いことを意味します。特に150を超えると、市場がテールリスクを極度に警戒している状態とされます。

VIXとSKEWの組み合わせで、市場の心理をより深く読むことができます。

  • VIXが低く、SKEWが高い:市場は表面的には落ち着いているが、水面下では大暴落への備えが進んでいる。「嵐の前の静けさ」の可能性。
  • VIXが高く、SKEWが低い:市場は目先の変動にパニックになっているが、壊滅的なクラッシュが起こる可能性は低いと見ている状態。

持ち帰りメモ④:VIXに加えVVIXとSKEWを見ることで、市場リスクを立体的に把握できる。「嵐の前の静けさ」を察知できることも。

第5章:債券市場の恐怖と市場全体の心理を読む

この章のポイント

  • MOVE指数は米国債市場の恐怖指数。金利の変動はすべての資産価格に影響を与えるため重要。
  • CNNが算出する「Fear & Greed Index」は7つの指標を組み合わせた総合的な市場心理指数。
  • 複数の指標を組み合わせることで、一つの指標だけでは見えない市場の全体像を掴むことができる。

視点を株式市場だけでなく、より広い金融市場全体に向けることで、リスクの兆候をさらに多角的に捉えることができます。特に重要なのが、債券市場と市場全体のセンチメントです。

債券版VIX「MOVE指数」の重要性

MOVE(ムーブ)指数は、米国債市場の予想変動率を示す指数で、「債券版VIX」とも言えます。金利は「経済の体温」であり、住宅ローンから企業の借入コスト、そして株価の割引率まで、あらゆる資産価格の基準となります。

そのため、MOVE指数が急騰するということは、金利の先行きが極めて不透明になっていることを意味し、金融システム全体の不安定化に繋がりかねない重要なシグナルです。株式投資家であっても、MOVE指数の動向は決して無視できません。

市場心理の総合指標「Fear & Greed Index」

最後に紹介するのは、CNNが算出している「Fear & Greed Index(恐怖と強欲指数)」です。これは、VIX指数を含む7つの異なる指標を統合し、市場が「極端な恐怖(Extreme Fear)」から「極端な強欲(Extreme Greed)」までのどこに位置しているかを0から100のスコアで示す総合センチメント指標です。

この指数の面白い点は、複数の異なる角度からの情報を一つにまとめていることです。これにより、市場のムードを直感的に把握することができます。ウォーレン・バフェット氏の有名な格言「皆が貪欲な時に恐怖心を抱き、皆が恐怖心を抱いている時に貪欲であれ」を実践する上で、非常に参考になる指標と言えるでしょう。

図4:プロが使う恐怖関連指数
図4:プロが使う恐怖関連指数

持ち帰りメモ⑤:複数の指標を組み合わせ、自分だけの「市場の羅針盤」を持とう。株だけでなく債券市場の恐怖も見るのがプロの視点。

私たち個人投資家はどうするべきか

ここまで解説してきた各種指標は、決して魔法の杖ではありません。しかし、これらを羅針盤として活用することで、荒波の市場でも冷静な航海を続ける助けとなります。今日からできる具体的なアクションを4つにまとめます。

  1. VIX指数をウォッチリストに加える。 普段からVIXの動きに慣れておくことで、いざという時に冷静に数値を判断できます。多くの証券アプリで簡単に表示できます。
  2. 「VIXが25を超えたらどうするか」を事前に決めておく。 たとえば「インデックスファンドを少額買い増す」など、自分なりのルールを暴落前に設定しておくことが重要です。
  3. 複数の指標を組み合わせて見る癖をつける。 VIXだけでなく、MOVE指数やFear & Greed Indexなど、異なる角度からの指標を参考にし、総合的に市場の温度感を測りましょう。
  4. 暴落に備え、常に投資余力(現金)を確保しておく。 いかに良い買い場が来ても、投資する資金がなければ機会を活かせません。キャッシュポジションの管理も重要な戦略の一部です。

もちろん過去の実績は将来のパフォーマンスを担保するものではございません。本記事で紹介した銘柄や指数は業種の代表例であり、特定の金融商品の購入を推奨するものではなく、投資は自己責任でお願いします。

動画では実際のチャートや資料を見ながら解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

例えば、中東での地政学リスクが高まると、原油価格が上昇します。これはインフレ懸念に繋がり、FRBの利下げ期待が後退するため、長期金利が上昇します。金利上昇は債券市場の不確実性を高め「MOVE指数」を押し上げます。同時に、企業収益への悪影響が懸念され株価が下落し、「VIX指数」も上昇。このように、一つのニュースが連鎖的に各市場のセンチメント指標に影響を与えていきます。

私が学長を務めるマネトレ大学では、金融知識ゼロだった大学生が米国大手証券会社に入社し学んだ金融知識、ルーティンワークを集約した金融特化型の教育研修を行っています。無料の勉強会「元ゴールドマン・サックス証券 尾崎邦明式 資産10倍ロードマップ」はYouTubeの各動画の概要欄からお申し込みください。日々のマーケット解説や最新情報は、無料LINEでもお届けしています。まずは無料LINEにご登録ください。

参考情報:CBOE, SKEW Index, 2026-10-26; CNN, Fear & Greed Index; investing.com, CBOE Volatility Index (VIX), 2026-10-27; investing.com, ICE BofAML MOVE (MOVE), 2026-10-27; 株探, VIX指数(VIX Index)【VIX】の株価チャート, 2026-10-26; Goldman Sachs, Global M&A 2H 2026 Outlook: Embracing the Volatility Paradox, 2026-07-22; J.P. Morgan, 2026 Mid-Year Outlook: Promise and pressure, 2026-06-17

まずは無料LINE登録で特典をGET

Follow me!

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

主要株価

プロフィール

こくチーズプロフィール

・幼少期よりヨーロッパ、アジアを中心に海外を周る。


・京都大学で建築のデザインを学び、図面制作事業(現Architech株式会社)を設立。


・首席で卒業後ゴールドマンサックス証券の当時最先端であるアジア株アルゴトレーダーとして勤務。1日に数100億円もの取引をさばく。


・2020年に独立後、株、為替、不動産、太陽光、マイニング、海外信託、ヘッジファンドなど様々な投資を行いながら法人向け運用&節税、個人向け資産形成&資産運用コンサルティング業を行う。


・関西と関東で教育の先生としても活躍。


・海外の金融の世界を見てきたならではの情報と分析をたまにブログに投稿している。

GOOGLE

ブログバナー

ブログランキング

無料体験
セミナー
入学申し込み/
お問い合わせ
トップへ戻る