記録的な円安が続く中、インバウンド(訪日外国人)消費額は過去最高を更新し続けています。特に海外富裕層の目は、世界最高の雪質を誇る北海道のスキーリゾートに向けられ、不動産価格は驚異的な高騰を見せています。
今回は、YouTubeチャンネル「おーちゃん【元外銀マン】」の動画を元に、マネトレ大学学長・尾崎邦明が自ら手掛ける北海道ルスツでの別荘投資のリアルを解説します。なぜ土地が5年で30倍になったのか、表面利回り20%はどのように実現するのか、その背景にあるマクロ経済の潮流と投資の本質に迫ります。
この記事でわかること
- なぜ北海道(特にニセコ・ルスツ)の土地が5年で30倍に高騰したのか
- 表面利回り20%を目標とする「ヴィラ投資」のビジネスモデル
- インバウンド富裕層が日本のリゾート地に本当に求めている価値
- 個人投資家がこのメガトレンドから学べること、次にとるべきアクション
マネトレ大学学長の尾崎が運営するYouTubeチャンネル「おーちゃん【元外銀マン】」で解説した内容を、動画公開後の市場データや最新のニュースまで織り込んでお届けします。
目次
結論:「金融×不動産」のハイブリッド投資が熱狂を生む
| 何が起きたか | 投資家への意味 | |
|---|---|---|
| 円安の継続 | ドル円は158円台で推移。海外投資家にとって日本の資産が割安な状況が続く。 | 不動産を含む日本の資産が、海外マネーの投資対象として魅力的な状態が継続。特にドル建て資産を持つ投資家にとって有利。 |
| インバウンド需要 | 2026年7-9月期の訪日客消費額は2.2兆円と過去最高を更新。一人当たり支出も約23.4万円に増加。 | 観光・宿泊・飲食セクターの収益機会が拡大。特に高単価なサービスを提供する富裕層向けビジネスが有望。 |
| リゾート地価高騰 | 北海道倶知安町(ニセコエリア)の商業地は地価上昇率+16.0%を記録。 近隣の留寿都村などにも波及。 | 一部エリアは過熱感もあるが、インフラ整備や高級ホテルの進出計画が、さらなる価格上昇期待を支えている。 |
| 金融×不動産 | ヴィラ(別荘)を建設し、ホテルとして運営。高い宿泊単価で高利回りを狙う事業モデル。 | 単なる不動産の値上がり益(キャピタルゲイン)だけでなく、事業収益(インカムゲイン)も狙えるハイブリッド投資の好例。 |
円安と旺盛なインバウンド需要を背景に、北海道の特定リゾート地(ニセコ・ルスツ)の不動産価格が高騰しています。これは単なる不動産投資ではなく、海外富裕層の需要を狙った「金融×不動産」のハイブリッド投資です。その構造を理解することが、新たな投資機会の発見に繋がります。
第1章:なぜ今、北海道リゾート不動産が熱いのか?
この章のポイント
- 歴史的な円安で、海外から見ると日本の不動産は「バーゲンセール」状態
- インバウンド消費額は過去最高を更新、特に富裕層の支出が旺盛
- 世界が絶賛する「JAPOW(ジャパンパウダー)」を求めて富裕層がニセコ・ルスツに集結
海外投資家から見た「割安な日本」
現在、ドル円為替レートは1ドル158円台で推移しており、歴史的な円安水準が続いています。これは、ドルなど外貨を持つ海外投資家から見れば、日本のあらゆる資産が「割安」に見えることを意味します。
不動産サービス大手CBREのレポート「2026 アジア太平洋地域 投資家意識調査」によると、国境を越えた不動産投資先として、日本は2年連続で東京が1位、大阪が3位にランクイン。特に円安が海外投資家の意欲を強く刺激していると分析されています。
この流れを加速させているのが、インバウンド需要の爆発です。観光庁が2026年10月21日に発表した「インバウンド消費動向調査」では、7-9月期の訪日客消費額が2.2兆円と、同期として過去最高を記録しました。
ニセコ・ルスツが選ばれる理由
数ある観光地の中でも、海外富裕層から特に熱い視線を集めているのが、北海道のニセコ・ルスツエリアです。その最大の魅力は、世界最高品質と称されるパウダースノー、「JAPOW(ジャパンパウダー)」です。
特に消費額の大きい欧米豪からのスキー客に絶大な人気を誇り、彼らは滞在中の支出も惜しみません。実際に、国籍別の1人当たり旅行支出を見ると、その差は歴然です。

こうした「円安」と「インバウンド富裕層からのピンポイントな需要」という2つのメガトレンドが交差する場所、それがニセコ・ルスツなのです。結果として、このエリアの不動産価格は、他の地域とは比較にならないほどの勢いで上昇しています。
持ち帰りメモ①:円安は、海外から見れば「日本全体がセール状態」ということ。
第2章:土地が5年で30倍。ルスツ不動産投資の衝撃
この章のポイント
- 尾崎学長が参入した2021年頃、坪単価1万円だった土地が現在は約30万円に
- 先行するニセコは地価が高騰し、投資マネーが隣接するルスツへ流入
- 北海道新幹線の延伸や高速道路整備計画が、将来のアクセス向上期待を高める
坪単価1万円が30万円になったカラクリ
動画の中で尾崎学長は「僕が入った2021年とかは本当に坪単価1万円だった。今(動画撮影時点)は坪30万円とか」と語っています。わずか数年で土地の価値が30倍になるという、にわかには信じがたい事態が実際に起きているのです。
この背景には、先行して開発が進んだニセコエリアの地価高騰があります。2026年9月に発表された基準地価では、ニセコエリアの中心である倶知安町の商業地が前年比+16.0%と、北海道内で突出した上昇率を記録しました。

ニセコの中心部では、もはや手頃な価格の土地を見つけるのは困難です。そこで、潤沢な資金を持つ国内外の投資家たちが、「次のニセコ」を探して周辺エリアに目を向け始めました。その筆頭が、ニセコから車で30分ほどの距離にあるルスツなのです。
「第2のニセコ」としてのポテンシャル
ルスツは、ニセコに勝るとも劣らない雪質を誇りながら、開発はまだ成長段階にあります。投資家の視点から見れば、これは「割安で、かつ将来性の高い」魅力的な投資対象に映ります。

さらに、将来的なアクセス向上への期待も価格を押し上げる要因となっています。
- 北海道新幹線:2030年度末予定の札幌延伸に伴い、倶知安駅が開業予定。
- 高速道路:後志自動車道の整備が進み、札幌や新千歳空港からのアクセスが向上。
こうしたインフラ整備は、リゾート地としての価値をさらに高め、長期的な不動産価格の上昇期待を支えています。ニセコで起きた地価高騰のストーリーが、すぐ隣のルスツで再現されようとしているのです。
持ち帰りメモ②:一つのエリアが急騰すると、投資マネーは必ず「次の場所」を探し始める。
第3章:表面利回り20%を狙う「金融×不動産」投資モデル
この章のポイント
- 土地を買って貸すだけではない、ヴィラ(別荘)を建ててホテルとして運営する
- 富裕層は1泊数十万円でも宿泊するため、高い売上と利回りが実現可能
- ルスツに飲食店が少ないという課題を逆手に取り、自ら中華料理店を開業し収益化
不動産投資とホテル事業の融合
尾崎学長が手掛けるルスツでの投資は、単に土地を買い、値上がりを待つだけの不動産投資ではありません。その核心は、動画内で「不動産×金融」と語られているように、ヴィラ(別荘)を建設して「ホテルとして運営する」という事業モデルにあります。
これにより、土地や建物の値上がり益(キャピタルゲイン)だけでなく、ホテル運営による事業収益(インカムゲイン)も狙うことができます。動画内で「表面利回り20%ぐらいを目指している」と語られているのは、このインカムゲインの部分です。

一般的な不動産投資で表面利回り20%は極めて高い水準ですが、このモデルではそれが可能になります。なぜなら、メインターゲットであるインバウンド富裕層は、質の高い宿泊体験に対して、1泊10万円、ピークシーズンには数十万円という高額な料金を支払うことを厭わないからです。
地域の「不便」がビジネスチャンスになる
この投資モデルのもう一つの特徴は、地域の課題をビジネスチャンスに変える視点です。動画でも触れられていますが、ルスツはニセコに比べて飲食店の数が圧倒的に少ないという課題を抱えています。
多くの投資家がこれをリスクと捉える中、尾崎学長はこれを好機と見て、自ら中華料理店を開業しました。これは、ヴィラに宿泊する富裕層の食事需要を満たすと同時に、新たな収益源を生み出す一手です。
動画内では「ニセコのど真ん中だと、だいたい3シーズンで5000万円くらい売り上げるんですよ、しゃぶしゃぶで。それ見てこっちでやろうと思って」と、先行するニセコでの成功事例を参考に事業を展開したと語られています。
不動産という「ハコ」だけでなく、そこでの「体験」全体をデザインし、収益化する。これが、高利回りを実現する「金融×不動産」投資の本質なのです。
持ち帰りメモ③:モノ(不動産)だけでなく、コト(サービス・体験)を組み合わせることで付加価値は飛躍的に高まる。
第4章:アマンも進出。海外富裕層が求める「体験価値」
この章のポイント
- 富裕層はモノの所有より、そこでしか得られない「体験」にお金を払う
- アマン、リッツ・カールトンなど世界的な高級ホテルブランドが続々とニセコに進出
- プライベートな空間、質の高いサービス、そして本物の自然が成功の鍵
高級ホテルの進出が示す未来
ニセコ・ルスツエリアが単なる一過性のブームで終わらないことを示唆しているのが、世界的な高級ホテルブランドの相次ぐ進出です。
ザ・リッツ・カールトン、パークハイアットといった名だたるブランドが既にニセコで運営を開始しており、さらに世界最高峰のホテルブランドの一つである「アマン」が、2030年の開業を目指して「アマン ニセコ」の準備を進めています。
これらのトップブランドが進出するという事実は、このエリアが国際的なラグジュアリーリゾートとして確固たる地位を築いたことの証左です。彼らは徹底した市場調査の上で長期的な収益性を見込んで投資を決定しており、その判断は市場の将来性に対する強力なお墨付きとなります。
彼らは「何に」お金を払うのか
では、海外富裕層は一体「何に」対して高額な対価を支払うのでしょうか。それは、単に豪華な建物や内装ではありません。彼らが求めるのは、そこでしか得られない、プライベートで特別な「体験価値」です。
- 誰にも邪魔されずにパウダースノーを滑り降りる体験
- 美しい雪景色を眺めながら入るプライベート温泉
- 専属シェフが地元の食材で調理するディナー
- 家族や友人と過ごす、完全にプライベートな空間
近年の富裕層の消費トレンドは、モノの所有(Ownership)から体験(Experience)へとシフトしています。ルスツのヴィラ投資は、まさにこのトレンドを的確に捉えたビジネスモデルと言えるでしょう。
動画公開後に起きたこと
動画は本日公開のため、公開後の大きな相場変動はありません。しかし、このトレンドを裏付けるニュースは続いています。前述の通り、観光庁は2026年7-9月期の訪日外国人消費動向調査を発表し、消費額が2.2兆円と同期として過去最高を記録したことが報じられました。
また、不動産サービス大手CBREが2026年7月に発表した「ジャパンインベストメントマーケットビュー」では、2026年下半期も海外投資家による日本の不動産への投資意欲は引き続き旺盛であると報告されており、特にホテルセクターへの関心が高いことが指摘されています。
持ち帰りメモ④:富裕層ビジネスのキーワードは「プライベート」と「ここでしかできない体験」。
第5章:個人投資家がこのメガトレンドから学べること
この章のポイント
- 直接投資は億単位だが、この流れに乗るインバウンド関連銘柄に注目する手はある
- 例:リゾート運営会社、建設会社、交通インフラ、百貨店など
- 株式以外のオルタナティブ投資(代替投資)にも視野を広げるきっかけに
北海道・インバウンド関連銘柄という選択肢
動画で語られているように、ルスツのヴィラ投資は億単位の資金が必要であり、個人投資家が直接参入するにはハードルが高いのが現実です。しかし、この大きなトレンドから投資機会を見出すことは十分に可能です。
最も分かりやすいのは、インバウンド需要の恩恵を受ける上場企業への株式投資です。円安が進行し、インバウンド需要が拡大する局面では、関連銘柄の株価も上昇しやすくなります。

具体的には、以下のような業種が考えられます。これらは業種の代表例であり、特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。
- リゾート運営:北海道でスキーリゾートなどを運営する企業
- 建設・不動産:リゾート開発を手掛ける建設会社やデベロッパー
- 交通インフラ:空港や鉄道、バスなど、観光客の足となる企業
- 小売・百貨店:富裕層の旺盛な消費を取り込む都心の百貨店など
オルタナティブ投資への第一歩
今回の事例は、株式や債券といった伝統的な資産だけでなく、不動産のような「オルタナティブ投資(代替投資)」に目を向ける良いきっかけにもなります。
オルタナティブ投資は、伝統的資産とは異なる値動きをする傾向があるため、ポートフォリオに組み入れることで分散投資の効果を高めることが期待できます。マクロ経済の大きな変化を捉え、自分の投資の選択肢を広げる視点を持つことが、これからの時代を生き抜く投資家にとって重要になります。
現物の不動産投資は難しくても、現在は1口数万円から投資できる不動産クラウドファンディングや、不動産投資信託(REIT)など、個人が少額から不動産に投資する手段も増えています。まずは情報収集から始めてみるのも良いでしょう。
持ち帰りメモ⑤:一つのニュースから、恩恵を受ける企業を連想するゲームが投資の視野を広げる。
私たち個人投資家はどうするべきか
今回の北海道リゾート不動産投資の話は、特殊な事例に見えるかもしれません。しかし、その背景にあるマクロ経済の大きなうねりは、すべての投資家に関わるテーマです。今日からできる具体的なアクションを4つにまとめます。
- まずは円安の恩恵を受けるセクターに注目する。 輸出企業だけでなく、インバウンド関連の内需企業(小売、陸運、ホテルなど)も円安メリットを享受します。自身のポートフォリオを見直し、このトレンドを捉えられているか確認しましょう。
- インバウンド関連銘柄をウォッチリストに加える。 北海道に限らず、インバウンド需要で潤う企業は全国にあります。リゾート運営、百貨店、鉄道・バス、化粧品など、関連銘柄をリストアップし、業績や株価の動向を追いかけてみましょう。
- 少額からオルタナティブ投資を検討する。 現物の不動産投資はハードルが高いですが、現在は1口数万円から投資できる不動産クラウドファンディングなどもあります。まずは情報収集から始め、分散投資の一環として検討するのも一案です。
- マネトレ大学の受講生コミュニティに参加する。 自分一人では気づけない視点も、他の投資家との交流で得られることがあります。受講生コミュニティのような場で、多様なバックグラウンドを持つ仲間と情報交換することも、有力なアクションの一つです。
もちろん過去の実績は将来のパフォーマンスを担保するものではございません。本記事で例示した業種や銘柄は、あくまで業種の代表例であり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
「記録的な円安」というニュースは、単に「海外旅行が高くなる」で終わりません。投資家は「海外から見れば日本の資産が安くなる」と連想します。すると「海外マネーが日本の何を買うか?」と考え、「不動産」や「日本株」に行き着きます。不動産の中でも特に「インバウンド富裕層が集まる場所はどこか?」と考えれば、ニセコやルスツのような国際的リゾート地が浮かび上がります。そこでは土地だけでなく「ホテル運営」という事業が行われ、高い収益が生まれています。さらに、リゾート開発には「建設会社」や「交通インフラ」が必要になり、訪れた富裕層は「百貨店」で買い物をする、というように、一つの事象から次々と投資のチャンスが連鎖していくのです。
私が学長を務めるマネトレ大学では、金融知識ゼロだった大学生が米国大手証券会社に入社し学んだ金融知識、ルーティンワークを集約した金融特化型の教育研修を行っています。無料の勉強会「元ゴールドマン・サックス証券 尾崎邦明式 資産10倍ロードマップ」はYouTubeの各動画の概要欄からお申し込みください。日々のマーケット解説や最新情報は、無料LINEでもお届けしています。まずは無料LINEにご登録ください。
参考情報:CBRE, ジャパンインベストメントマーケットビュー 2026年第2四半期, 2026-07-25 / JLL, 2026年はどうなる?日本不動産投資市場の展望, 2026-02-05 / CBRE, 2026 アジア太平洋地域 投資家意識調査:日本, 2026-01-15 / 観光庁, インバウンド消費動向調査 2026年7~9月期 1次速報, 2026-10-21 / hotelbank, 北海道ホテル投資マップ2026, 2026-11-07 / e-kensin, 基準地価2026 道南・後志/倶知安の近隣自治体で大幅上昇, 2026-09-19 / Aman Resorts, Aman Niseko, 2026-10-30 / presuma.co.jp, なぜ2026年も世界は「日本」を買うのか?, 2026-05-10 / Yahoo Finance 市場データ(2026年11月7日時点)



コメント